「優勝します!」

太陽皇子こと新安さんがやっているネットラジオ「アナログゲームナイト」の収録で、毎回のようにやっている七盤勝負の優勝宣言だ。今回も同様に大会直前の収録で、優勝宣言をした。

この優勝宣言はもうすでにネタになっているのだが、本大会ではまさかの準優勝!

宣言通りとはならなかったが、私の実力から考えればいい結果だ。

この結果がだせたのは、日ごろの研究や練習の成果もあるかもしれないが、庵で各競技のプロフェッショナルの方々に教えてもらえているからだと思う。いろいろと指導していただいた方々ありがとうございます。

なお、私は本大会に向けて、このような練習をしていた。

■ 目標
  • 9路の研究をしている囲碁有段者は少ないので、研究をして有段者に勝てるようになる。
  • オセロ初段になる。
  • バックギャモンエースで、エラーレートの6を切る。
■ 練習内容

[ 囲碁 ]

  • 詰め碁アプリの「詰め碁プロ」で詰碁を毎日6問解く
  • 囲碁アプリの「最強の囲碁」で9路の序盤研究
  • 対局アプリの「囲碁クエスト」で9路対局

[ オセロ ]

  • オセロの例会に参加し、実戦経験を積む
  • 対局アプリの「リバーシ大戦」と研究用アプリの「DroidZebra」でひたすら対局、研究の繰り返し

[ バックギャモン ]

  • 対局アプリの「バックギャモンエース」で対局、研究の繰り返し

それでは、私の対戦を振り返っていこう。

【1回戦】vs 白房さん

初戦の相手は文化系サークル「オフサ会」のボスこと白房さん。

私はオフサ会に所属しており、よくお世話になっている。七盤のほとんどの競技を白房さんとはやったことがあるので、各競技の実力は大体把握している。

白房さんは将棋の初段を目指しており、将棋は私より格上である。その他の競技については私が上手の自信がある。

「将棋は勝つ!」とのことなので、将棋を粘って初戦は景気よく4-0で勝ちたいところ。

勝負の早い連珠、どうぶつしょうぎは、短手数で勝利。

バックギャモンはダブルヒットしたあとにクローズアウトで、白房さんはひたすらパスになる展開に。バックギャモンの「モン」は悶絶の「モン」なので、白房さんはとても苦しかっただろう。クローズアウトした後は特に事件も起きず無難に勝つことができた。

将棋は角換わりの展開で、角打ち込みからの角成に成功したものの、すぐに間違えて角がとられてしまう酷い展開。形勢は不利だが、なんとか粘る。

チェス、囲碁は勝勢だったので、将棋の決着がつくまえに決めれるかどうかというところだったが、打ち込む先がなくなった囲碁を投了された。

予定通り4-0で勝ち、初戦は快勝することができた。

スコア 連珠 どうぶつしょうぎ オセロ チェス 囲碁 将棋 バックギャモン
4-0

試合が終わればノーサイド。

【2回戦】vs 脇田さん

2回戦は連珠八段の飯尾さんを倒して勝ち上がってきた脇田さん。

トライボーディアン(囲碁、将棋、オセロの大会)で9位の実績があり、囲碁六段、将棋初段、オセロ初段の強豪である。

対脇田戦では「連珠」「どうぶつしょうぎ」「オセロ」「バックギャモン」で勝利する算段だ。特に「オセロ」はお互いが得意にしている競技なので、オセロで勝敗が分かれるものだと考えていた。

どうぶつしょうぎは、序盤の数手目で脇田さんがミスをし、手早く一勝。

連珠は途中まで必勝手順でこられたので、苦しくも相手の攻めを受けきってから反撃し、40手近くで勝利。

オセロは過去にも脇田さんと対局して負けたことある定石形になったが、以前の負けから検討をしていなかったので、不利な展開となり負け。

バックギャモンは割と早くランニングゲーム(こまがヒットしあうことがない、すれ違っている状況)になり、互角の戦いかとおもっていた。しかし、終盤で脇田さんが6ゾロをだす!私は落胆し、つい「マジかよ・・・」とつぶやいてしまった。日ごろの行いが悪いのか私の出目は悪く、サイコロの目勝負は負けてしまった。

これで2-2。当初予定していた、「オセロ」「バックギャモン」が負け、「将棋」が圧倒的に不利な展開となっていたので、「チェス」「囲碁」を勝たないといけなくなった。

囲碁の序盤の数手は用意してきた布石で、そのおかげでなんとか善戦できていた。途中でコウ争いを仕掛けられよくわからなくなったが、なんとか終局。運営スタッフに数えてもらったところ、なんと数目勝っていた!有段者に勝つを目標に頑張ってきたことが報われた瞬間だった。

そして、最後のチェスだが駒得を2回しており有利にはなっている。しかし、囲碁が終局した時点で残り時間が1分程。時間との闘いだ。ポーンをプロモーションして、ルークとクイーンで1手1秒のペースで相手のキングを追い詰める。指すたびに時計を確認し、残り時間が20秒、19秒、18秒…と刻々と時間が減っていく。時間に追われ極限状態のなか、チェックメイトすることができた!終局後、時計をみたら残り時間が11秒であった。

際どくこの勝負を制すことができた。

スコア 連珠 どうぶつしょうぎ オセロ チェス 囲碁 将棋 バックギャモン
4-3

【3回戦】vs 藤田さん

3回戦はどうぶつしょうぎカフェのオーナーの藤田さん。

藤田さんとは大会の前の週に練習対局をし、すべての対局が熱戦で、ひとつも勝負がつかず時間切れで勝利するという結果に。

練習対局後には3回戦であたりましょうと約束した。そして、お互い強敵を倒して3回戦で再戦することとなった。

なお、2回戦で際どい対局をしたせいか、おなかが痛い…。

連珠は有名な形である「琴柱(ことじ)」を打ってきた。しかも途中まで正着を打っていたので、藤田さんの研究局面かと思い、かなり慎重に打っていた。17手目に失着があったので、何とか勝利することができた。対局後に聞いたのだが、どうもフィーリングで打っていたようで、失着があったとはいえ、ここまでしっかり打てているのは凄い。

どうぶつしょうぎは、後手をとっていたが途中でミスをしてしまい、あっさりと負けてしまう。

七盤の序盤で勝負の早い連珠、どうぶつしょうぎはお互い得意な競技を取り合う展開となった。

囲碁は少し地が足りないと思い、無理な喧嘩をふっかける。しかし、きっちりと対応され沢山石が死んでしまい投了。どうも囲碁有段者が言うには無理な喧嘩をふっかけないで、しっかり生きていれば勝てていたかもとのことだ。コミを考えての形勢判断がどうも苦手だ。

得意なオセロは少なく石をとりすぎて逆に終盤が難しくなったが、なんとか読み切って勝利。

バックギャモンは内容を覚えていないが勝ち。

残るチェスと将棋は、チェスで優勢を築きあげれていたので、チェスに注力するために将棋を早々に投了。3-3でチェス勝負となる。

駒得をしていたので、しっかりと時間を使い優勢のまま勝ち切ることができた。

三回戦も接戦で4-3で勝ったが、もう精神的に疲れてきた。そして、おなかもさらに痛くなってきた。

スコア 連珠 どうぶつしょうぎ オセロ チェス 囲碁 将棋 バックギャモン
4-3

【4回戦(準決勝)】vs 高月さん

高月さんとは高松の七盤勝負の決勝であたっているが負けている。練習対局でも2、3回くらいしたことがあるが、全て負けている。

お互いのパラメータから考えて、決して勝てない相手ではないと考えているが、なぜか一度もかてない。

今日こそ勝つと意気込んで対局に挑んだ。

対高月戦でも、「連珠」「どうぶつしょうぎ」「オセロ」「バックギャモン」で勝つ算段だ。「囲碁」は有段者である高月さんに練習してきた成果がだせれば嬉しい。

連珠は7手目で必勝手順から外れたが、黒が優勢な局面で白番の私がなかなか攻めに転じれない。40手近くで主導権を取り返し一気に攻めて勝ち。

どうぶつしょうぎは後手をとり、高月さんが見慣れない作戦をかけてきた。正しく対応できたのかは不明だが、勝つことができた。

バックギャモンは内容をはっきり覚えていないが、勝利することができ、私が先にリーチをかけた。

ここまでは予定通りの内容だった。

しかし、オセロで事件がおきた。

残り6マス空きくらいで、有段者であれば偶数理論というのを用いてすぐに正着が分かる局面で、最悪な場所においてしまったのだ。結果、31-33で2石差で負けてしまったのである。日ごろから偶数理論というのを意識せずにやっているので、それがあだとなってしまった。

そして、将棋、チェスは簡単にとられてしまい、3-3で囲碁勝負となった。

囲碁は少し研究していた「風車」という形。以前にも高月さんとやって勝ったことがある。少し優勢と思っていたが、細かいヨセで失敗すると負けそうな局面だった。1手1手慎重に打って終局し、なんと3目半勝っていた!

またしても4-3の接戦を制することができた。

スコア 連珠 どうぶつしょうぎ オセロ チェス 囲碁 将棋 バックギャモン
4-3

運営のかたからのはからいで、決勝進出者二名にカイロプラクティック「ダンデライオン」の多胡さんによる足のマッサージ!疲れがとれました!ありがとうございます!

【5回戦(決勝)】vs 高山さん

決勝戦は、過酷なAブロックから勝ち上がってきた高山さん。トライボーディアン優勝、新宿七盤準優勝の超強豪。

囲碁、将棋、オセロはもちろん強いのだが、どうぶつしょうぎが新宿の七盤のときよりパワーアップしているようだ。

そして、バックギャモンはそこまでやりこんでいないとのことだが、今だ七盤で負けなしとのこと。強運も持ち合わせている!

私が高山さんに勝てるプランとしては、相変わらず「連珠」「どうぶつしょうぎ」「オセロ」「バックギャモン」である。「囲碁」「将棋」「チェス」では勝てる気がしない。

高山さんは連珠が苦手とのことで、序盤早々に優勢を築き上げることができ、白の16手目から13手詰めを決めて圧勝。

チェスは序盤早々にポカで駒損し、戦意喪失。

囲碁は準決勝同様に「風車」をやっていたが、大石が死んでしまい早々と投了。

バックギャモンは、高山さんの駒が後ろに残ったままで少し優勢かとおもったが、高山さんのゾロ目連発で後ろにいた駒が脱出されて、少し不利な展開。

オセロは途中まで研究していた形だったが、高山さんの好手連発で悪形である壁が綺麗にできてしまい、厳しい展開に。

どうぶつしょうぎは、よく知らない展開でミスをしてしまい、これまた不利な展開。

この時点で、勝つ予定であったどうぶつしょうぎ、オセロ、バックギャモンが不利で1-4でまけるのを覚悟した。

しかし、あきらめずに対局をしていたら、少しずつ光明が見えてきたのである!

バックギャモンはランニングゲームになってからいい目連発で互角の戦いにまで持ち込み、高山さんがゾロ目をださなければほぼ私の勝ちという局面まできた。以前の新宿七盤でもそのような局面で高山さんはゾロ目をだして勝利しており、その再来かと思った。高山さんターンでゾロをださないことを祈り、出た目は…ゾロじゃない目!私はほっとし、なんとか2つ勝つ。

そして、次はオセロ。終盤までなんとか戦えている感じ。必死に戦っているとX打ち(隅の斜めにあるマスに打つこと)で斜めのラインが通り、いい勝負になる展開がみえた!終局してみると、ぱっと見同数っぽい。運営スタッフが数えたところ、なんと33-31で2石勝ち!これで3勝!

どうぶつしょうぎは私がミスしたあとに、高山さんもミスしている感じで、再びチャンスがおとずれた。勝負所と思われるところで力をいれて読むがよくわからず、結局は感覚で指す。どうもその手が悪かったようで、詰まされてしまった。

これで予定していたプランが破綻。残る将棋で勝たないといけなくなった。

将棋は実力差がありすぎるが、残り時間がわずかの中、裸玉を必死に逃げる。時間が切れるまで戦おうとも思ったが、見苦しいと思い残り5秒で投了。

私の七盤勝負が終わった。決勝戦まで幸運にも勝ち上がってきたがここまでであった。

スコア 連珠 どうぶつしょうぎ オセロ チェス 囲碁 将棋 バックギャモン
3-4

囲碁の局後検討をしたところ、どうも大石が死んでも細かい戦いだったようだ。高山さんの思う最善手順で打てば、半目で高山さんの勝ちという際どかったようだ。そんな対局を大石が死んだ時点で早々と投了してしまった。藤田さんとの対局でもそうだが、形勢判断がどうも苦手だ。

そしてオセロも後日分かったことだが、終盤で高山さんが2石返しわすれているところがあり、そのまま進めば32-32で引き分けだったようだ。返し忘れでも勝ちに変わりはないが幸運であった!

感想

全体的にレベルがあがってきているのを実感しました。前までは、私の稼ぎ頭の一つであったどうぶつしょうぎも、研究している人が多くなってきて勝てなくなってきました。また、連珠もレベルが上がっており途中まで必勝手順で打たれる人が多く、冷や冷やしながら対局しています。連珠勢以外の人に綺麗に負ける日も近いかもしれません。そうなるときが楽しみです。

また、実力の格差が大きくひらき4-0と決着がついている対局もありました。今後は初級、中級、上級とクラスを分けるという話もあるので、そちらも楽しみです。

参加者は過去最大で、七盤の輪が広がっていることも実感しました。大川さんの精力的な各地での活動で、ファンが増えてきているのだと思います。そして、この七盤勝負で様々な競技者と交流ができるのが最大の魅力だとおもいます。七盤勝負の輪を広げるとともに、各競技間での関係を強め、力を合わせて頭脳スポーツを盛り上げていけたらと思います。

最後に、Twitterで結果速報をあげていたみずさん、磯部さん、昼食やドリンクなどの提供をしていた庵のスタッフの方々、会場を盛り上げてくれた黎さん、ますださん、新安さん、そして企画運営、司会進行をしていた庵のオーナーの大川さん、楽しいイベントを有難うございました!今後の七盤勝負も参加します!微力ながらも七盤の活動に協力していけたらと思います!